
更新日付 2009.04.17
●山根隆治君
実は私、川越の古市場というところに住んでいるんですけれども、私の家から直線で四百メートルほどのところで大深度掘削泉というのがいわゆる掘り当てられて、私も自転車ですぐ二分ぐらいで行けますので時折行かせていただいて非常に有り難いなというふうな思いを持っていたんですけれども、この温泉法を質疑させていただくということについて少し勉強させていただいたら、本当にこんなにいい思いしていいんだろうかというふうなちょっと思いがいろいろとしてまいりまして、様々な今思いが去来をするわけでありますけれども。
大臣の先般の本法案に対する提案理由の説明聞かせていただき、そして改めて読ませていただきました。その中で、大臣の衆参両院での説明を読んで、少しお尋ねしたいことがわきました。それは、「我が国は豊富な温泉資源に恵まれていますが、その資源には限りがあるため、持続可能な利用を進める必要があります。」というところであります。何の変哲もないお言葉のようでありますけれども、この限りがあるということ、この有限性ということについての概念というのはどういうふうに受け取ったらよろしいのでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
御指摘ございました。元々、地球資源というのはいずれも有限のものだという認識を基本的に持っているわけでございまして、石油にしましてもあるいはガスにいたしましても、さらに言えば水資源もそうですし、さらに食料資源というのもやはり有限のものだと思います。
この温泉資源について有限と申し上げましたのは、特定の地域について自然にわいてくるようなものから、あるいは掘削をして掘り当てて、そこからそれを湧出させるというような様々な方法があるわけですが、いずれにしても地下のマグマから出てきた温度を受けた地下水が、それを受けて、地下水がたまっているところあるいは流れているところ、それを通じてそれを人為的に吸引する、あるいは自然に出てくる、圧力で自然に出てくるというようなものですから、いずれにしても限りがあることは明らかだと考えております。
当然、地上に降った雨などが浸透していって地下水になる。地下水になってその下から温められたものがまた温泉としてそれが利用可能であるといったような循環はあるわけですけれども、それにしても、限度を超えて掘り出してしまうとこれはやはり枯渇をしていく。あるいは、それが少なくなってきて周りから地下水がどんどん入ってくると温度が下がってきてしまうわけですね。その限りにおいて、やはり量には限りがありますから、その限度を超えて過剰にこれを利用するというようなことになると質的な変化あるいは枯渇も免れないということがあるという、そういう認識をしているわけでございまして、持続可能な利用を進めていくということがやはり温泉資源の利用には大事なんだという趣旨で申し述べたことでございます。
●山根隆治君
それじゃ、大臣にとってこの地球上における無限の概念というのはどのようなものでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
専門家でないから分かりませんけれども、無限というのは私はないんじゃないかと、こういうふうに思っておりますけれども。空気にしましても、空気を組成している、その組成の変化が起こってくるという意味で、今あるような状況というのは無限にあるというわけではないんで、汚染されていけば空気もその機能が違ってくるという意味で、今までは空気だとか、更に言えばそのちょっと前までは水だとか、そういうのは天からもらい水で無限のような認識を持っていた時代はあったと思いますけれども、今やそれらもすべて地球を取り巻く自然環境の中で出てきた、発生してきている資源でありまして、遠く広く考えますと、それらもみんな限りがあるものと、そういう認識で大事にしていかなきゃいけないということがあると私は思っております。
●山根隆治君
異論があるわけではないのですけれども、有限、無限の概念というものがかなり私はやっぱり環境行政に大きな影響を与えるということで、すべてが有限という概念を強く押し出すと、そこに様々な問題がある。
つまり私は、私たちが無限という言葉を使っている場合の概念というのは、大気圏内における地球という一つの大きな生命体の中ではすべて、総体としてはすべての物質も目に触れる森羅万象やっぱり有限ということは言えるかと思うんです。しかし、私たちが無限ということを使う場合に、今お話、大臣ありましたように、一つの循環されている、システムとして循環されているものについては私はやはり有限ということの概念、一般の概念とやっぱりちょっと違うものがある。そこにやっぱり循環という物の考え方、見方というものを何らかの形で表現していく必要があるのではないか。つまり、有限、有限ということになると、私たちが温泉につかっていても、それは大事にするという、そういうメンタルな面での大切さというのはあるけれども、何かそこに私の心の中で、このような温泉につかっていることの、まあ罪悪感とは言いませんけれども、申し訳なさみたいなもの、そういうものを、肩身が狭くいい思いをしてしまうというふうなこともあり得なくはない。私は、そこのところで環境行政、様々な規制をどういうふうに加えていくかというふうなことばかりに走るということさえも私はその有限の概念から起こりやすいということを危惧し、問題提起する意味で有限、無限の話を今お尋ねをしたということでございます。
それでは次に、条文のひとつ解釈についてお尋ねを少しずつしていきたいと思います。
まず、法律案の要綱に沿ってお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、第二の承継規定の新設についてでございますけれども、土地の掘削等の許可を受けた者である法人又は個人について、合併、相続等の場合における地位の承継ができることとするということがわざわざ盛り込まれているわけでありますけれども、これを法文として書いているということは、今までの法律の中では様々な支障があったからこのような規定というものを新たに新設をしたということになると思うんですけれども、実際にはどのようなやっぱり支障があったのかについてお尋ねをいたしたいと思います。
●政府参考人(冨岡悟君)
承継規定につきましては、会社の合併とか、それから個人の場合の相続があった場合に、事業内容に変更がないにもかかわらず申請書作成や手数料の負担を再度行わせる、こういったことに対する都道府県の担当の方からの疑問、こういったことから、手続の簡素化といった観点からの許可の承継規定を設けるべきとの意見、こういったものが寄せられておりました。このような意見を踏まえまして、許可手続を再度行うことによります事業者と都道府県の負担を軽減し、行政手続を簡素化するために今回提案しているものでございます。
●山根隆治君
各都道府県からそういうようなお話があったからということの御説明でございますが、それでは、それらの事例といいましょうか、問題になった事例というのはどれぐらいあったんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
都道府県が許可しております制度でございますので、具体的な何件あったとかそういったような数については私ども把握しておりませんけれども、具体的には、法人合併の際に承継規定がなかったので手続的に時間が掛からざるを得なかったとか、それから個人の場合に、父親が亡くなった後に娘さんがその権利を承継する場合に再度の申請をしなければならなかったわけでございますが、相続を受けた際に現に泊まり客がいる、そういったことから営業に支障を来さないために継続が必要であったわけでございますが、そういったことから、県としても継続するためになかなか事務的に苦労されていたといった事案を承っております。
●山根隆治君
私、質問をすればするほど私の方が何か悪いことを申し上げるみたいに思うんですけれども、これはいいことなんで、全然反対じゃないんですよ。
ただ、県からいろいろな御意見があったからということで、それでは、パブリックコメントもやられたでしょうし、県からもいろんな意見があって、しかもわざわざこういう法律をやはり変えてでもやっていこうとすることについての根拠というのをしっかりとやはり示してもらいたいということで件数のことをやっぱりお伺いをしたわけなんですね。ですから、今ちょっと件数が把握されていないというのは意外な気がしたし、ちょっとそれはどうなのかというふうな思いがいたしますけれども、その辺のところをしっかりした情報収集なりというものを、やっぱり数字でカウントすべきものはして、わざわざ法律まで変えてまでやるわけですから、そこのところはやはりしっかり今後こうした法律を提案するときには御説明できるようにしていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、第三の掲示項目の追加についてでありますけれども、「施設内に掲示する事項として、入浴又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるものを追加すること。」ということでございますけれども、これはどのようなことを想定されているんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
温泉を利用される方からのニーズが多様化している、こういった状況の中で、利用する温泉の具体的でできるだけ正確な情報を得たいというニーズは増大してきているものと考えております。こういった状況に対応しましてこの法律改正案を提案しているわけでございますが、現時点では具体的に掲示項目の追加を予定しているものはございませんけれども、現行の規定では読み切れないニーズが今後発生してくるものと考えております。
そういうことで、そういった場合に迅速かつ適切な情報提供を図ることができるよう措置するためにこの法律改正案を提案しているものでございます。
●山根隆治君
審議会の答申等もありまして、専門家の御意見、答申書を私読みましたけれども、その答申書にないものもいろいろ議論の中であったと思うんですね。ですから、こういうことは考えられるという想定があるからこそ書いている。つまり、何が起きるか分からないから、一応、逃げといいましょうか、安全装置として書いたということじゃないんだろうと思うんですね。想定できるものは何ですかということをお尋ねしています。
●政府参考人(冨岡悟君)
専門家の方々の議論、それから温泉をめぐりますいろんな議論の中で要望が強いと申しましょうか、そういった観点から想定できるものとしては、掘削深度、それから自噴、動力、自噴か動力でくみ上げているかどうかといった別、それから最近比較的要望がありますのは加水の程度といったもの、こういったものなどが今後議論されてくるのではないかと考えております。
●山根隆治君
次に行きます。
第六の附則でありますけど、附則の三ですが、「この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。」ということでございますが、この場合の必要な措置というのは法改正ということを想定されているんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
規制の新設に当たりまして、一定期間経過後に見直しを行うこととし、法律にその旨の条項を盛り込むことにつきましては、これは政府の方針として閣議で決定されているところでございます。今回の法改正案にあります定期的な温泉成分分析の義務付けにつきましても、これに該当しますので、五年間の運用状況を踏まえて見直しを行うこととしたものでございます。
この規定による検討の際には、法改正が必要となるような事項も含めまして、幅広く見直しを行うこととなるものと考えております。
●山根隆治君
それでは、次に質問を移らせていただきます。
温泉の成分の分析については、源泉の表示ということをされているわけでありますけれども、これは一般の利用者にとってはなかなか実感として分かりづらい部分もあるかと思うんですね。したがって、私は浴槽のやはりお湯がどのような成分が含まれているのかということにも国民の関心は高いと思うわけでありますけれども、この浴槽のお湯でなく、源泉を分析した表示ということの義務付けということになっていることについての説明を求めたいと思います。
●政府参考人(冨岡悟君)
温泉成分の掲示は、入浴者の健康保護等を目的として行うものでございますので、成分分析は温泉の利用場所において行うことを原則としております。なお、この場合の温泉の利用場所とは、入浴している状態の浴槽そのものではなく、浴槽への注ぎ口や貯水タンクを指すものでございます。
そういうことから、掲示されている成分と実際の浴槽そのものの成分が異なるという指摘があることは承知いたしております。しかし、浴槽の成分は、入浴する方の利用状況、どれだけの人が利用されるとか、いろんなことによりまして変化する、変動するものでございます。そういうことで、浴槽の成分を安定的なものとして正確に表すものとは必ずしも言えないという面があろうかと思います。
したがいまして、比較的変動が少ない浴槽への注ぎ口等の成分を表示し、浴槽の成分を変化させ得る行為、例えば加水とか消毒とか循環ろ過をしている、こういった旨を掲示させる。こういうことによりまして、浴槽の成分につきましても適切な情報を提供できる仕組みに今なっているものと考えております。
●山根隆治君
例えば、温泉に行きますと、こういう体の病気に効くとか、効能がずっと書いてあるわけですね。この質問をするに当たって、そのこともちょっとお調べ事前にいただいておりますけれども、医療法上全くそういうことは問題ないということでありますけれども。それはあくまでも、やっぱり源泉を前提としての効能だろうと思うんですね。しかし、お湯につかる利用者にとっては、源泉ではなく浴槽の中にあるそのままの成分がどうなのかということを知りたい、あるいは効果があるかどうかということの一つの問題点も私はあると思うんですね。そこに少し違いが出てくる。
したがって、私は、源泉の分析、そして浴槽の成分の分析というものもやっぱり表示すべきだろうと思うんですね。つまり二つ、二種類を表示するということであれば問題ないだろうと思うんです。様々な条件によって変化するということを今お話ございましたけれども、成分も変化してくるというお話ございましたけれども、ある一定の条件を設定して、利用者がまだ入らない時間帯であるとか、一定のやはり条件の中でどうだったということは、浴槽の中の成分を分析してそれを表示する、それに基づいて病気に対してのいろいろな効能がこれだけこういうものがあるということが書かれるのが私は妥当だろうと思うんですが、その点いかがでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
先生御指摘の二種類の表示をしてはどうかという御提案につきまして、確かにいろんなその情報提供を丁寧にするということ自体は利用者にとって好ましい状況が生じてくる、一般的にはそういうことも多いかと思われます。
ただ、これを制度上義務付けるといった場合には、やはり浴槽で割と客観的に皆さんが御納得いただけるような基準をどうするかとか、それから実際に表示する方の状況と申しましょうか、それなりにまたいろんなコストも掛かりますし、また何ですか、その努力と申しましょうか、そういったことも必要になりますので、そういったことをいろいろ勘案して考える必要があろうかと思いますが、サービスの質の向上として、こういったできるだけ丁寧な情報提供に手掛ける、任意で手掛けるといったことについては、それはそのサービスの向上としての意味があるものと考えております。
●山根隆治君
国の方針として打ち出すということよりも、それは任意にということの今お話だったと思うんですけれども、これはパブリックコメントなんかでそうした意見というのはなかったんですか。
●政府参考人(冨岡悟君)
パブリックコメントの中ではかなりいろんなたくさんの実は意見が寄せられておりましたが、そういった中に先生御指摘の浴槽でという御提案もございました。
そういうことで、我々、たくさん寄せられている中でいろいろ検討した上で、また中環審の先生方の最終的な全体の方向として、現在の、先ほど申し上げましたような方式、国として義務付ける方式としてはそういった方向というふうなものが出されたものでございます。
●山根隆治君
私は実は積極的な意味でちょっと御質問をイメージとしているんですけれども、日本で「温泉療法」という本が書かれたことがありました。これはもう四十年以上前の話なんですけれども、やはり温泉を積極的に医療ということに活用していこうという考え方がかなり学者の間でも強くなってきた時期であったわけですけれども。
私は統合医療という問題というものに取り組んできておりますけれども、残念ながら厚生労働省の方では今年の予算というのが前年度よりもちょっと下回るぐらいの予算になってしまったということはございますけれども、私は、温泉の効用というものを少しデータを蓄積して、それを科学的に分析をして、国民に温泉と医療というもののかかわり、効能というものをやはり大きく強くPRしていくべきじゃないかと、こういうふうに実は思っているわけでございまして、漠然として例えば玉川温泉ががんにいいとかというのは、民間ではすごく広がった話でありますけれども、それやはり科学的なデータを蓄積して国民に強くアピールしていくということが非常に必要だと思うんですが、そのデータの蓄積についての御努力というのはいかがでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
環境省におきましては、温泉につきましては、昔から湯治という言葉にありますように、健康に効果があるということでございまして、ただ、その効果そのものにつきましては例えば必ずしも、成分そのものから直接的にくるといったものもあると思われますけれども、そのほかに物理的に熱い熱の刺激、それから圧力の刺激、それから転地療養と申しましょうか、いい環境の下で療養することによる効果、そういったことが総合的に重なり合わせまして健康にいいのではないかと、そういうふうに一般的に考えておりますし、私どもも考えております。
そういった中で、具体的な効能と申しましょうか適応症につきまして私ども情報を蓄積するために、温泉気候医学会という温泉療法に大変関心を持っているお医者さんを中心とする学会がございまして、そういったところに委託いたしまして、そういった内外の文献を整理してもらうとかいろんな調査をしてもらう、そのようなことを委託しておりまして、そういった結果に基づきまして必要な情報提供を行ってまいりたいと、そのように考えております。
●山根隆治君
少し時間がもうなくなりまして、最後の質問になりますのでほかに移らせていただきますけれども、大臣にお尋ねをいたします。
大深度掘削泉などの流行といいましょうか、によりまして、既存の国民保養温泉地も様々な経済的な影響も十分受けているということが予測できるわけでありますけれども、今後、この国民保養温泉地の振興策というのを私は国としてもしっかりやっぱり考えていかなくてはいけないだろうと。温泉従事者といいますか、それにより生計を立てている人の数というのは相当数に私も上るというふうに考えられるわけでございまして、特に国民保養温泉地の振興策についてどのようにこれから考えていかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
古来から、温泉というのは地域の住民にとっては憩いの場であったり、あるいは治療の場であったり、それぞれの温泉の特有の評価というのが伝わってきておりまして、それに新しい温泉も加わって各地で温泉が非常に多く利用されるようになっているということだと思います。
私は長野県なんですが、温泉地の多いところでございます。もう温泉の出ない市町村がないほど温泉が非常にありますが、その中でもやはり委員がおっしゃられました国民保養温泉といったような健全な、そして長く親しみを持たれてきた温泉地もかなりございます。
こういう温泉地の振興というのは、やはり地域ぐるみでその信用を保持するための環境を整えていくというようなことが必要ですし、また、差別化といいますか、あの温泉とこの温泉はこういうことで違うんだという特徴を工夫しながら、リピーター、繰り返し利用できるような工夫をそれぞれが凝らしているのが実情であろうかと思います。
そういう意味では、それぞれが持っている特色をどうしてどのような形で情報発信していくか、そういうことが非常に大事な、振興上大事なことではないかというふうに考えておりまして、環境省としては、このようなそれぞれの地域ぐるみで考えられる魅力を高めるための創意工夫について広く全国にこれを紹介をしていく、そして自然との触れ合いができるような周辺整備を図って、それらの環境とともどもにこの温泉地が健全な保養地としても評価され利用されるというふうに進めていくことが大事であり、そのような活動について支援を講じてまいりたいと、このように考えております。
●山根隆治君
終わります。
