参議院の調査会

参議院では、昭和61年(1986年)7月から、国政の基本的事項に関して長期的かつ総合的な調査を行うことを目的に、調査会という機関が設けられています。
この調査会では、委員会のような法案審査は行わず、国の重要課題について各界の専門家の意見を聞いたり、議員同士のフリートーキンクを行って議論を深め、提言や報告を行い、さらにそれに基づく立法活動も行っています。
現在、国際問題に関する調査会、国民生活・経済に関する調査会、共生社会に関する調査会が設置されています。
なお、この調査会とは別に、平成12年1月の第147回国会より衆参両院に憲法調査会が設置されています。

▼関連サイト
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/guide1.htm
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho3.htm

設置の経緯

調査会は、両院制の下における参議院の特色、独自性を発揮するため、昭和61年5月の第104回国会において、国会法(「第5章の2 参議院の調査会」の新設)及び参議院規則(「第7章の2 調査会」の新設)を改正し、新たに設けられたものです。
すなわち、任期6年の参議院議員の特性を活かし、3年間にわたり大局的な見地から国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため参議院改革の一環として設置されたものであります。

第104回国会においては、「外交・総合安全保障に関する調査会」として設置されましたが、冷戦構造の崩壊等、国際情勢の激変を受けて、国際問題の全般にわたり広範な調査を行う観点から、第124回国会の平成4年8月に設置された第3期の調査会から、「外交・総合安全保障に関する調査会」は「国際問題に関する調査会」と改称されました。

なお、調査会の前身として第13回参議院通常選挙後の第99回国会における昭和58年7月、特別委員会制度の枠内で総合的かつ長期的な調査を行うため、外交・総合安全保障に関する調査特別委員会及び国民生活・経済に関する調査特別委員会の2調査特別委員会が設置され、第104回国会までの3年間」調査を行った経緯があります。

設置及び種類

調査会は、参議院通常選挙後の最初に召集される国会において設置するものとされ、 議員の半数の任期満了の日まで存続します。

●調査会の設置は、議院運営委員会に諮った後、本会議において、設置の目的、委員数及び名称を明示して議決されます。
●調査会の委員は、各会派の所属議員数の比率に応じ、各会派に割り当て、議院において選任され、調査会が存続する間、その任にあります。
調査会長は、調査会において互選されます。

運営基準

調査会は、国政の基本的事項について、その対策樹立に資するため、専ら長期的、総合的調査を行うものとされ、具体的な調査項目の選定は、理事会の協議によるものとされます。

●調査に当たっては、
1:公聴会の開催
2:参考人からの意見聴取
3:委員派遣による現地調査及び
4:委員相互間の自由討議を積極的に行うこととされます。
なお、政府側の出席は、必要に応じ求めるものとされております。

●調査会は、1年目及び2年目に調査に関する中間報告書を議長に提出するとともに、関係省庁、民間団体等に送付しています。調査会の存続期間の終了に当たっては、同様に最終報告書を提出します。
報告書の提出に当たり、調査会長は、調査の経過及び結果を議院に報告することができます。

●調査会の組織及び運営については、国会法及び参議院規則の委員会に係る規定がおおむね準用されており、調査会から法律案を提出することも可能であります。
また、調査会は、調査事項に閑し、法律案の委員会提出を勧告し得る権能を有します。
この場合、調査会長が勧告の趣旨及び内容を記載した文書を議長に提出し、議長はこれを適当な委員会に送付することとされており、送付された委員会から要求があったときは、調査会長が当該委員会で勧告に閑し説明することができるものとされています(参議院規則第80条の6)。

●調査会は、各常任委員会が基本政策別の所管事項に閑し、議案の審査及び調査を行うことを任務としているのに対し、・国政全般にわたる観点から長期的かつ総合的な調査を実施し、その結果をもとに委員間の自由討議等を経て、意見の集約を図り、政策の提言、法案化の推進に結実させていくという特色を有しています。

調査の経緯と結果


本年度においては、昨年度までに行われた調査項目「国連の今日的役割」「東アジアの安全保障」「我が国外交の在り方」について、更に論議を深める調査を多角的に行い、 我が国国民及び国際社会に向けた情報発信と提言の取りまとめを目指しました。
平成13年度における審議経過は以下の通りであります。

1:平成12年11月6日(月)
 「国連をめぐる最近の動向と我が国の対応」について政府報告の聴取と質疑
           河野 洋平 外務大臣
2:平成12年11月15日(水)
「経済・社会・文化分野における国連活動と専門機関の関係」から意見聴取後質疑
参考人 
一橋大学大学院法学研究科・法学部教授 大芝亮君
亜細亜大学国際関係学部助教授 秋月弘子君
同志社女子大学現代社会学部教痩 岡島貞一郎君

3:平成13年2月14日(水)
「国連改革と我が国の対応」について参考人から意見聴取後質疑
参考人
財団法人フオーリン・プレスセンター理事長 波多野敬雄君
日本経済新聞社編集委員 原田勝広君
明治学院大学国際学部教授 浅井基文君

4:平成13年2月21日(水)
「国連改革と我が国の対応」について参考人から意見聴取後質疑
参考人
英国ニューカッスル大学(東アジア研究センター)教授 ラインハルト・ドリフテ君
法政大学法学部教授 鈴木佑司君
早稲田大学大学院教授  川村亨夫君

5:平成13年2月26日(月)
「新世紀の課題と国連」について参考人から意見聴取後質疑
参考人
前国連難民高等弁務官 緒方貞子君
(政府参考人)国連大使 佐藤行雄君

6:平成13年3月5日(水)
「東アジアの安全保障」について参考人から意見聴取後質疑
参考人
防衛研究所第2研究部長 高木誠一郎君
京都大学大学院法学研究科助教授 中西寛君
読売新聞社論説委員 山岡邦彦君

7:平成13年3月7日(水)
「我が国外交の在り方」について参考人から意見聴取後質疑
参考人 
元駐ロシア大使 枝村純朗君
慶應義塾大学法学部教授 添谷芳秀君
株式会社三井物産戦略研究所所長 寺島実朗君

8:平成13年4月18日(水)
「国連の今日的役割」について、委員の意見表明及び委員間の意見交換

9:平成13年5月23日(水)
「東アジアの安全保障」及び「我が国外交の在り方」について、委員の意見表明及び委員間の意見交換

これまでの3年間にわたる調査の経過と結果は、調査報告書にまとめられ、平成13年6月20日の調査会において議決されました。

 調査報告書の主な内容は、「国連の今日的役凱「東アジアの安全保障」「我が国外交の在り方」の調査項目それぞれについて「主要論議」及び「課穎と提言」にまとめました。

●「国連の今日的役割」
1)新世紀の国連の課題と我が国の役乱
2)我が国の国連外交
3)人間の安全保障
4)国連と市民社会との連携
5)平和と開発への取組
6)国連の人的基盤の強化と日本人職員
7)国連閑連情報の国民への提供
8)国際横閑等への拠出と国会の関与
9)国連総会への国会議員団の派遣
10)ユネスコ
11)国連大学等の活性化
12)難民等に対する支援の強化、
13)沖絶への国連機関の誘致の13項目

●「東アジアの安全保障」
1)南北和解の潮流定着への支援
2)日朝国交正常化交渉の推進
3)日中相互理解の探化
4)東アジア平和研究所(仮称)の創設の4項目

●「我が国外交の在り方」
1)外交基盤の強化
2)外交における文化のカの活用の2項目が掲げられています。


※出典資料:「参議院見学ガイド」参議院/「国会案内」衆議院事務局


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