■平成13年11月28日 村井防災担当大臣
山根隆治
 宮崎委員の御質問の後でやりにくいところがございますが、と申しますのは、事前に私も御通告していた内容と二つほど大きく重なっておりますので、非常に重複した部分が出ようかと思いますが、御海容いただければと思っております。
 まず、大臣にお伺いをいたしたいと思うわけでありますけれども、日本は山間地が七割を超える面積を占めるところでありますし、世界有数の地震国である。あるいはまた、複雑な海洋気象に囲まれた国でありまして、国土の立地条件そのものが非常に厳しい自然環境に置かれている、そういう国だろうと思います。しかしながら、私たちの祖先が営々としてこの国土を守ってくる、そういう歴史あるいは文化の中で、世界的にも、さまざまな面で日本の安全な国の印象というのは世界に私は印象深いものがあるんだろうというふうに思っております。
 これは私自身の見解でありますけれども、大臣が災害担当大臣というお立場、そしてそのほか国家公安委員長というお立場もありますけれども、きょうは災害担当大臣という立場での本委員会での御出席でございますので、そうした災害に対して日本の今置かれている現状についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、安全な国だというふうな御印象を持っていらっしゃるかどうか、さまざまな災害に対しての感覚をお聞かせいただきたいと思います。
防災担当大臣 村井仁氏
 先ほど宮崎委員の御質問にお答えしたことにも関連いたしますけれども、私は、確かに今、委員御指摘のように、例えば世界の活火山の一割、八十六が日本にある。それから、先ほどユーラシアンプレートあるいはフィリピンプレートが接するというようなお話もございました。地震というのは日本で初めて経験するというような外国の方も結構たくさんいらっしゃる。一方でまた、台風が一年に何回かは襲う。
 ある新聞記者の書いたコラムで、何と我々は恵まれない国に生まれたものかという慨嘆の思いを禁じ得ないなんてくだりがありましたが、私は逆に、これは実は有珠山のホームドクターと言われます北海道大学の岡田弘教授のお話でありますが、地震にしてもあるいは噴火にしても、それはある意味で地球の息吹である、そしてその災いというものはいっときのことであるが、そのもたらす恵みというものは、例えば温泉といい、あるいはすばらしい風景といい、あるいは何といいましょうか、さまざまな観光資源その他の形で多くの恵沢、恵みを我々の生活にもたらす、どのようにこのような自然の災いに対して対応し、そしてその災いを極小化して、そして一方その恵みを享受していくか、これが課題じゃないかというようなことをおっしゃられまして、私は、ある意味では防災担当大臣として目の覚めるような思いがしたものでございます。
 さような意味で、考えられる、自然が相手でございますから、国会で決議しても地震が襲ってくるのを防ぐわけにはまいらないわけで、そういう意味では、ともかくそれにどうやって対応するかという工夫を精いっぱいしていくということしかないのではないか。そういう意味で、当委員会での御議論なども十分踏まえまして、政府としてもしっかりやってまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。
山根隆治
 今、非常にほっとするようなお話を大臣からいただきました。やはりいろいろな歴史家がさまざまな評価というのを我が国にいたしておりますけれども、イギリスのアーノルド・トインビーは「歴史の研究」を書かれた歴史家でございましたけれども、今ふと思い出しまして申し上げるわけでありますけれども、文明というのは、気象やそのほかいろいろな条件に恵まれ過ぎているよりも、やはり厳しい環境の中でしっかりと自然環境に順応できるように立ち向かう、創意工夫する、そういう民族というか国民が一つの文化なり文明なりというものをしっかりと築いていくんではないかと、そういう卓見を今思い出したわけでございますけれども、今、大臣の御答弁の中にそうした私もひらめきを感じることができました。
 先ほど宮崎委員の方から、東海地震から予測の二十二年ぶりの見直しということで、東海地震専門調査会ですか、の発表が新聞記事になっておりまして、私もけさの新聞を見て衝撃を新たにいたしたわけであります。特に、私は地元が埼玉県でございますので、震度六弱の可能性のある地域として埼玉県も挙げられていたということについてはかなりショックも個人的にもいたしたわけでありますけれども、私は、この記事の中、専門家の指摘でございますので、これからいろいろな関係者が集まって地域の指定等が行われてくるという段になってくるんだろうと思いますけれども、新たな地域指定によりまして、まだこれからという段階ではございますけれども、やはり国の地域への支援ということも当然これから検討されてくるんだろうと思います。
 今までももう既に発表になっている幾つかの地域、市町村がございます。六県百六十七市町村が地域防災対策強化地域ということで指定をされてこられたわけでございますけれども、これから新たに恐らく数十の市町村が具体的に指定をされてくるんだろうと思います。そういうときの予算措置というのは、これはもう単年度で行うことができる、行っていこうとするような基本的な考え方なのかどうか、あるいはまた自治体への財政の支援というのは今までの支援のありようとは違ったことが想定されてくるのかどうか、この点についてお伺いできればと思います。
 急な、これ新聞報道でございましたので、事前に御通知もしておりませんでしたので、細かな数字を求めるつもりはありませんけれども、政府参考人の方からでも御承知いただいている範囲で、御答弁いただける範囲で結構でございますから、お願いいたします。

内閣府政策統括官 高橋健文氏

 具体的な地域指定はまだこれからの話になりますが、中央防災会議の諮問を受けて、また関係都県知事とも意見を伺った上で指定されますと、必要な防災対策につきましてはやはり国あるいは県、都がそれぞれ検討して、事前の予防対策につきましては地震対策緊急整備事業に係る財政特別措置法に基づきましてその着実な推進を図ることといたしております。
 また、当然のことながら、東海地震の防災基本計画の見直し、これが出てまいります。それとともに、地震発生が予知された場合の緊急措置あるいは必要な観測体制、こういった強化を図っていくこととしてございます。
山根隆治
 まだ具体的な詰めの作業はこれからということでございますから、余り細かいところを追いかけても仕方がないと思いますけれども、ぜひじっくりと研究していただいて、検討していただいて、しかも早急に手当てを自治体等にもしていただきたいということを強くこの点についてお願いをいたしておきたいと思います。
 この大規模地震対策の特別措置法ができたのは、たしか私の記憶で、もしかしたら違っているかもわかりませんが、福田内閣のときじゃなかったかという記憶がございます。実はそのときに、この参議院の審議、連合審査であったと思います。当時、福田総理大臣が出てこられていろんな質疑をしていました。ちょうど私もその質疑を聞いていて、いろいろな思いも少し残っているところもあるんですけれども、当時、実はこれもちょっと急な質問で恐縮でありますけれども、地震予知についてそれが可能か否かというお話、宮崎先生から今ほどございましたけれども、科学的に確率というのはなかなか出しにくい部分があるというふうな論議があったようにも記憶しております。
 その中で、実は私、一つ注目していた論議があったんですけれども、地震の予知について、必ずしもこうした科学的なデータに基づく予知ではなくて、具体的に、当時の文部省、今文部科学省の方で一つの民間人の研究に助成していたものがあります。注目を私はしましたけれども、それはどういうことかというと、ナマズに地震の予知をする能力があるのではないかという一般によく言われていたことでございます。これに実は五十万円でしたか、当時、文部科学省が補助金を出していたことがございました。これは末広先生という学者の研究に対してですが、当時、気象庁の地震課長さんだったか、地震課というのがあったかどうかあれですけれども、その方が実は弟さんだったんですけれども、弟さんの方はお兄さんの研究には全然、評価は余りしていなかったということもございましたけれども。
 私、今ナマズのことを聞こうとしているわけではありませんが、そのほか地震の予知について、私たちが承知しているほかの部分で文部科学省の現在助成措置をとっておられたりしている研究等があれば、御承知の範囲で結構です、もしなければ、あるいは今現在資料等集めておられなければ結構です、もし記憶があれば御披瀝いただければと思います。
文部科学大臣官房審議官 上原哲氏
 お答え申し上げたいと思いますが、突然の質問でございますので、正確な知識はもし、気象庁長官の方からもお答えいただければと思います。
 御案内のとおり宏観現象と申し上げまして、植物や動物、その他の自然現象、並びに犬、猫、猿、そういうものが地震の発生の直前ないしは前にいろんな活動をするということを統計的にとらえて地震予知ができるかという研究の御質問かと思いますが、そういうものにつきましても、かつては旧科技庁の方、それから多分気象庁さんも同じでございましょうが、そういうものにつきましても一部研究費を出されておったというふうに承知いたしてございまして、現在の詳しい状況について私ども承知しておりませんが、予知の一環として非常に重要な研究の一部ではないかというふうに承知いたしております。
気象庁長官 山本孝二氏
 いわゆる宏観現象についてでございますが、気象庁は、宏観現象が地震発生に直接結びつくかどうか、これは科学的な評価がまだ定かではございません。
 しかしながら、これらの現象についても大変重要な手がかりになるわけでございますので、特に東海地震については静岡県が宏観現象を一時的に集める作業をしてございます。その情報は私ども気象庁に即時に提供していただくということで、判定会におきまして必要な評価はする体制になっております。
山根隆治
 ぜひ偏見に惑わされることなく、そうした真摯な研究等についても温かい行政の手を、光を当てていただきたいということを、この点についてはお願いをいたしておきたいと思います。
 さて、災害については、自然災害あるいは人為的な災害ということに分かれるかと思いますけれども、まず私は人為的な災害についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
 先ほど宮崎委員の方からも御質問ありましたように、BC兵器、生物化学兵器、特に今回のテロ事件から炭疽菌等の生物兵器に対する不安というのは日本人も持つに至ったわけでございますけれども、必ずしも炭疽菌だけではなくて、コレラ菌あるいはペスト菌等の生物に対するやはり対応ということも非常に大事なことになってくると思うんですけれども、これらについても予算委員会で、さきに他の議員からも論議があったところでございますけれども、こうした生物兵器に対する対策というのは総体的には今どこまで、どんな形で進んでいるのかお尋ねをしておきたいと思います。
防災担当大臣 村井仁氏
 いわゆるBC、生物化学兵器、BCテロと申しておりますけれども、これの対策でございますが、これにつきましては、今月の十八日に関係閣僚会議を開催いたしまして対処方針を決めたところでございます。
 ある程度私どもといたしましては対応ができていると思っておりますが、まず、化学テロにつきましては、これは委員十分御認識のとおり、オウム真理教による地下鉄サリン事件等々がございましたために、警察の装備でございますとか態勢を見ましても格段に充実を見ておりまして、私は、まずあの当時に比べまして何が起きたかということを認識するというところから格段の進歩があったと考えております。
 ただ、問題は、その生物兵器を使いましたテロ、今、委員例えばペストとかいろいろ仰せになりましたけれども、こういうものにつきましては、何が起こったのかということを認識するということがまず非常に難しいという問題がございます。ですから、端的に申しまして、公衆衛生当局のお立場で集めた情報で、何か非常に異常な疾病の発生があったというような認識がありませんと、なかなか、何といいましょうか、何が起きたかがわからない。そこからの問題でございまして、そこが一番の問題であろうと。考えられるさまざまな生物兵器、典型的には炭疽菌あるいは天然痘というようなものでございましょうが、それにつきましてのいろいろな現象というものを現実の医療現場でよく認識をしていただくということが、まずもって大切なことじゃないかと思っております。
山根隆治
 時間もないので、少しはしょってお尋ねをさせていただくことになりますけれども、全国に保健所が、各県それぞれ相当数ございますけれども、まずそういうところに最初の患者さんが飛び込まれるということではなくて、恐らく開業医のところ、病院等に行かれると。
 ところが、感染症、特に炭疽菌の場合も皮膚感染とか飛沫、しぶきですね、くしゃみや何かして感染する、そういうふうな感染症でございますので、実際にそれが炭疽菌だということになった場合には、もうお医者さんも含めましてその周囲の人たちに感染をしているという可能性もかなりあるわけですね。
 ですから、私は医師会の方にも協力を求めて、単に保健所等に指導するということではなくて、一般の開業医も含めてこの感染症の問題についても十分啓蒙をしていく必要があるだろうと思うんですね。実際にもう炭疽菌による感染だということがわかった段階でもう何日か、潜伏期間があるわけですからたっておりますし、それがどこまで広がっておるかわからないと、そういう恐ろしさがあるわけで、単に対症療法的なことで、いろいろな抗生物質等もありますけれども、それで事足れりというものではない。極めて深刻な問題がここに介在しているわけで、その辺の十分御認識をいただきたいと思います。
 ちょっとお尋ねしようと思ったんですけれども、時間もないので、それは御要望ということにさせていただきますけれども。
 それで、抗生物質あるいはワクチン等について、アメリカでは市販をされているけれども、日本ではまだ認可になっていないというものがかなりあるわけですね。一口に抗生物質といいましても、例えばペニシリンは当然日本でも認可されているわけでありますけれども、シプロフロキサシンとかドキシサイクリン、それからレポフロキサシン等のものについては、これは未認可だということでございまして、既にメーカーの方から申請をされているというものがあろうかと思いますけれども、これらの認可については厚生労働省の方ではどのように取り扱うとされているのか。通常の認定基準、日数ということでやっていくと、とても今の事態に対応できないということになろうかと思いますけれども、これらの点についてはどのように考えておられるのか、お尋ねをいたしておきたいと思います。
厚生労働大臣官房技術総括審議官 今田寛睦氏
 御指摘のように、そもそも炭疽菌という病気そのものを想定されて開発された経緯というのは長期間なかったわけでありますので、現実的には、炭疽をもって適応症とするという医薬品については、現在本当に限られたものとしてしか存在しておりません。御指摘のように、ペニシリン系あるいはテトラサイクリン系の薬については承認をされておりますけれども、その他の御指摘いただいたような薬につきましては承認がなされておりません。
 それで、現在、効能追加の申請をメーカーの方に求めております。それに基づきまして審査をするわけでありますが、有効性、安全性が確認され次第、すぐにでも承認をできるようにということで、これは迅速な対応を今心がけているところでございます。
山根隆治
 ぜひそのように対応をしていただきたいというふうに思いますけれども、抗生物質のストックがどれぐらいあって、果たして発症の人数がどれぐらいになるのか、そういうことでのいろいろな対策というのは大変であろうと思いますけれども、もうかなり差し迫った問題でございますので、その辺のところはいろいろな情報をとりながらぜひ対応をしていただきたいということを、これも御要望というところで終わりたいと思いますけれども。
 ただ、やはり家庭でできる対症療法ということ、そうした方法もございますので、その辺も保健所等を通して一般の国民の皆さんに、そうした民間療法といいますか、防御策というものをぜひ御提示していただきたい、啓蒙活動をお願いしたいというふうに思いますので、この点についても、これも要望にとどめさせていただきたいと思います。
 次に、内閣官房審議官に、村田さんにお伺いをいたしたいというふうに思っておりますが、サイバーテロの問題でございます。これも一つの災害というふうな受けとめ方も可能であろうと思いますし、またそう受け取るべきだろうというふうに私は考えるわけであります。
 御承知のように、コンピューターを悪用することによってさまざまな災害ということが実は考えられるわけでございまして、金融、航空、電力、ガス、そうした身近な生活に侵入をしてきて悪さをするというふうなことが十分考えられるわけでありますけれども、こうしたサイバーテロの対策についてはどのような御認識を持っておられるか、あるいはその対策はどういうふうにとられておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
内閣官房内閣審議官 村田保史氏
 サイバーテロ対策についてお尋ねであります。
 いわゆるIT化の進展に伴いまして、我が国におきましても、国民生活や社会経済活動など、社会全体の情報システムへの依存度がますます高まってきております。こうした情報システムに重大な被害を生じさせることを目的とするのがいわゆるサイバーテロであります。こうした攻撃に対し的確な対策を講じることは、政府にとって重要な課題と認識しております。
 こうした問題につきまして、諸外国、とりわけ情報先進国とも言うべき米国におきましては、一九九八年の大統領令に基づき、大統領府を中心として重要インフラの防護のための体制準備を進めていると承知しております。
 我が国政府としましても、情報通信や金融、公共交通、エネルギーなど重要インフラの安全確保に向けまして、IT戦略本部において昨年十二月に重要インフラのサイバーテロ対策に係る特別行動計画を策定し、現在、これに基づきまして、サイバー攻撃による被害の防止対策、官民の連絡・連携体制の確立、サイバー攻撃があった場合の検知と緊急対処能力の強化などの取り組みを進めているところであります。
 政府としましては、今後とも、こうしたサイバーテロから国民、それから社会の安全を確保するため、さまざまな手だてを講じ、対策に万全を期してまいる考えであります。
防災担当大臣 村井仁氏
 ちょっとつけ加えさせていただきますと、今、山根委員御指摘のサイバーテロでございますけれども、昨年の一月に中央省庁のホームページが改ざんされるとかいろんな事案がございました。今、政府参考人から答弁申し上げましたようなことで政府全体としてやっておりますが、ぜひ御認識いただきたいと存じますのは、警察といたしましては実はこれはやはり一つの犯罪だと考えておりまして、実は、警察庁というのは四千人ほどの職員から成る情報通信局というのを持っております。ここは相当な技術を蓄積しております。と申しますのは、常時、警察通信というものを運用しておりますので、この精鋭を使いまして、いわゆるサイバーフォースという技術集団をつくりましてサイバーテロ対策をやっているところでございます。
 ですから、何かの問題が起こりました場合に、警察と御相談いただくということは非常によい処方ではなかろうかということもついでながら申し上げておきたいと存じますし、私の立場からも、警察が、例えば重要インフラを実際担っております企業等々と連携を密にするというようなことも非常に重要なことではないか、今のような意味でですね、その点でもいろいろ体制を整えてまいりたいと思っております。
 つけ加えさせていただきました。
山根隆治
 せっかくの大臣の御答弁なんですけれども、私はそれで大丈夫なのかしらというふうに逆に反論したいところがあるんですが、と申しますのは、やはりコンピューターにたけている人というのは、かなり天才的な才能を持った人が多いんですね。そして、それは皆、世間で言うとちょっと変わった人というか、ちょっと失礼、語弊があったら申しわけないですね、というふうに見られがちな、天才型の人というのは大体そういうものですけれども、私は、それを上回る人材というのを警察が養成していないとそれはなかなか対応できない。
 つまり、警察に入る人はみんな非常に優秀で、まじめで、協調性があって、いい人が多いんだろうと思うんですね。だからこそ、逆に、そういう人たちでそうしたサイバーテロをやるような人たちを上回る能力というのを期待できるんだろうか。つまり、ある一定の限度の範囲の仕事というのは優秀にこなせるけれども、しかし、その枠を超えたところで悪さするわけですから、その悪さする人よりももっと悪さができるぐらいの能力を持った人がいないと防止策というのはなかなかとれないんじゃないか。
 つまり、私が言いたいのは、やはり民間のそうした能力というものをもっとたくさん集めて、そういうことで何かシステム化して対応しないと、私は警察のそうした精鋭がサイバーテロをやる人たちに勝てるとは思わないんですけれども、大丈夫ですか。
防災担当大臣 村井仁氏
 これは、申し上げるまでもなく、例えばアメリカの国防総省のコンピューターに入ったとかいろいろなケースもあるわけでございますから、それは大丈夫だというようなことをなかなか言えるものじゃございません。山根委員御指摘のとおりだと思います。
 ただ、私が強調したかったのは、何といいましょうか、いわゆる行政の中では現実に、何といいましょうか、通信系を完全に動かしているという意味で非常に技術的に蓄積がある。しかも、それを常にいろいろな形で外から侵入されないようにしませんと警察通信なんというものはうまくいかないわけでございますから、そういう仕事に常時的に携わっているそういう集団である。それだけに、さまざまなイレギュラーなケースというものに対しましての体験を積んでいる、そういう集団があるということを御紹介したかった。
 そういう意味でまた問題意識を持ちまして、サイバーパトロールとかサイバーパトロールモニターというような、民間の方々も委嘱をいたしまして御協力を得るとかいうような工夫も当然のことながらいたしております。
 そういうような意味では、まさに今、委員おっしゃいましたような非常に異能の士が民間にいらっしゃることも私ども十分認識し、その力も十分かりて、いずれにしましても、社会のシステム全体がおかしくならないような努力を精いっぱい重ねているということを申し上げたかったわけでございます。
山根隆治
 時間がなくなりまして、あと十分なので、用意しておりました御質問の項目についてまずまとめてお尋ねをさせていただきますので、それぞれ担当政府参考人の皆さんにまとめて御答弁をいただければありがたいと思います。
 まず一つは、雑居ビルの火災対策でございますが、実はきのう内閣委員会で新宿の歌舞伎町の現地視察をさせていただきました。非常に悲惨な現場でございましたので、胸の痛くなるような思いがございました。
 雑居ビルの防災対策、火災対策ということについてまず取り上げられるのは、階段であるとか踊り場に置かれている、放置されているいろいろな荷物といいましょうか、材料等を整理するということが大事だということがよく言われるところでありますけれども、いろいろな消防庁の指導が一〇〇%それぞれ守れないような状況にあるところもたくさんあろうかと思います。
 私は、やはり現実にまず最初は、そうした階段等に物を置かないということの徹底を一つすべきだろうというふうに考えるわけでございますけれども、新宿の雑居ビルに対する防災計画について、指導についてどのように消防庁は考えておられるか、第一点お伺いをしたいと思います。
 次に林野庁でございますけれども、私は、地元が埼玉県ということで、全国をよく承知しているわけではありませんけれども、治山治水ということに絡みまして、特に下流地域の都市部における洪水等については、やはり治山の問題が切っても切り離せないものがあろうかと思います。つまり、間伐も行われず、山林、森林の三分の二が民有地ということだったと思いますけれども、民間人が自分の森林を管理するということについては、もう財政的、経済的にも事情が許さないという状況もあって、非常に今森が荒れているというふうな状態でございます。
 私は、やはりここにはもっと積極的に国が関与してこの森の管理ということについて必要な措置をとるべきではないだろうかというふうにも思うわけでありますけれども、これらについての考え方をぜひお伺いしておきたいと思っております。
 国土交通省の関係につきましては、そうした河川の改修等がかなり広く都市部には行われてきて、治水の問題も急ピッチでいろいろと解決はしてきているものの、今、都市部における水の問題というのは、内水の問題が実はございます。
 内水というのは、それぞれ各市町村が責任を担ってやっているわけでありますけれども、なかなか遅々として進まない。つまり、川のそばにあって、川はもう安全になったけれども、内水がどうしてもはけなくて床下床上浸水になっているところがかなり都市部で多く見受けられるわけであります。
 これは、都市計画法等の法の網がかぶる以前に開発された地域、田んぼ等が住宅地に変わってきて、水、排水の問題等を全く考慮しないで町づくりが行われてしまったということによるものでありますけれども、この内水の問題について、地方自治体だけにこれをゆだねるということでは、やはり五十年、百年たっても解決しない水の問題が残るわけでありますので、これらの点について、例えば田んぼを買い上げて、都市近郊における農地というのはもう非常に荒れてきてもおりますし、放置されてきているという状態にあります。そして、農業に従事されている方々は、後継者の問題等で自分たちの個人の問題もあって、農地を何とか公共事業等で有効活用してもらいたいという思いを持った方もかなりおられるわけであります。
 私は、そうした内水対策ということについては、もし隣接しているところが農地であれば、農地を買い上げて遊水地として活用するという手段をとることによって内水問題は解決するだろうという思いを強くいたすわけでありますけれども、これらの点についてはどのようにお考えになられるか、お尋ねをいたしたいというふうに思っております。
 農水省は呼んでおりませんので、国土交通省の段階でお答えできる範囲でこの問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。
 それと、財務省もお呼びいたしておりますけれども、実は治水ということにかかわりましてのお尋ねでありますけれども、農家の屋敷林、平地林ですね、屋敷林について相続が発生した場合に、非常に納税が大変だということで、農地のようにやはり猶予してもらえないだろうか、納税猶予を何とかしてもらえないかという声を多々国民の皆さんから聞くわけでございますけれども、二十年なりあるいは三十年なり、そうした屋敷林については納税を猶予するという措置がとれないのかどうかお尋ねしたいと思います。
 もしこの問題をそのまま放置するようなことになれば、それらを農家の方が手放してそこが乱開発されるという事例も多々あるわけでありまして、これらについて、税制上の問題で、財務省、これからこうした問題について積極的に取り組んでもらいたいと思うわけでありますけれども、御見解をお尋ねいたしておきたいと思います。
 それから、欲張って申しわけないんですけれども、もう一つだけお尋ねをさせていただきますけれども、富士山の爆発の問題が、噴火するということが、二月でしたけれども、これはもう国会で私のいないところで論議もあったかと思うんですけれども、これらについて国民が不安を持っておりますので、安心のいただけるメッセージ、対応策等があれば御答弁いただければありがたいと思います。
 大変欲張った質問で申しわけありませんが、よろしく御答弁の方をお願いいたします。
消防庁次長 高田恒氏
 まず、雑居ビルの火災対策についてお答え申し上げます。
 発災後、全国の消防機関では、同様の小規模雑居ビルについての一斉の立入検査を行っております。これにより多くの法令違反が認められておりますが、これについては所要の措置を講ずるように通知をいたしているところでございます。
 また、消防庁といたしましては、すぐさま小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会を開催いたしまして、火災原因調査や法令違反の有無等の調査結果を踏まえながら、ハード、ソフトの両面における防火安全対策の基準のあり方や基準適合確保方策のあり方などについて検討を行っており、さらに九月末にはこれに関しまして消防審議会に諮問を行っており、年内をめどに答申を得る予定でございます。
 これを踏まえまして、消防庁として早急に方針を決定し、同様の火災の再発防止のため、必要に応じ、消防法令の改正を含め各種の対策を講じてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
林野庁長官 加藤鐵夫氏
 森林の状態につきましては、今、木材価格が大変低迷をいたしておりまして、先生言われましたように、なかなか林業生産活動の停滞の中で森林所有者の方が手入れをきちっとやっていただくということができかねるという状況が生じてきているわけでございます。
 しかしながら、防災等の面から見ましても森林整備をきちっとやっていくということが必要でございまして、今年、森林・林業基本法ということで今までの林業基本法を改正いたしまして、これからは森林の重視すべき機能に応じた整備をきちっとやっていくということをとっていきたいという方向性を打ち出したところでございます。
 具体的には、水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林ということでございまして、例えば水土保全林につきましては、公的な関与を治山事業等による森林整備というようなことも含めて整備をきちっとしていくというようなことでやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
国土交通省河川局長 竹村公太郎氏
 都市水害の問題は大変重要でございまして、特に去年の名古屋水害では、一昼夜で名古屋市を中心としまして八千七百億円の国民の富が失われてしまったと。これはほとんど各個人の資産であり、事業所の資産でございました。
 このようなことから、今委員の御指摘の内水排除が非常に重要な事業でございまして、私ども、河川改修、そして下水道が連携して従来からやっておりますが、特に平成十二年度の名古屋水害、東海豪雨を受けまして、下水道では緊急都市内浸水対策事業を創設しました。さらに、十四年度の概算要求で今財務省にお願いしていることは、流域の中の雨水貯留施設の採択緩和、採択の条件を緩和していただきたいというような要求もしております。
 これからも河川と下水道、力を合わせて都市内の排水対策に当たっていきたいと考えております。
山根隆治
 農水省にもよろしく言っておいてください。
国土交通省河川局長 竹村公太郎氏
 はい。
財務大臣官房審議官 木村幸俊氏
 お答え申し上げます。
 相続税につきましてでございますけれども、累次にわたりまして大幅な減税を行ってきております。それで、近年の地価下落と相まちまして、従来指摘されてきました負担感というのは相当程度緩和されてきていると私ども考えているところでございます。
 それから、林地につきましてただいま農地と同様の納税猶予制度を設けるべきではないかという御提案があったところでございますが、これは委員もよく御承知のとおり、まず農地等についての相続税の納税猶予の特例は、農業政策の観点からその利用、転用、譲渡が法律で厳格に制限されていると、そういったこと等を踏まえまして設けられた極めて異例な措置でございます。農地等と同様の事情にない林地につきまして同様の特例措置を講ずるということは適当でないのではないかと考えているところでございます。
気象庁長官 山本孝二氏
 富士山では昨年から低周波地震と呼ばれる地震が発生したわけでございますが、これを受けまして、私ども火山噴火予知連で慎重に富士山について検討いたしました。
 この結果、低周波地震が山頂の大変深いところ、十五キロ程度のところで起きていること、それからGPSその他の地殻変動では特に変化が観測されていないということから、私どもとしましては直ちに今噴火に結びつくものではないというふうに考えているところでございます。

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